民間冒険記〜疾走、準備!〜

〜民間〜

ティティオの背中に揺られている。

もう朝方になってしまった。

それでも魔法使いは減速することなく、
逃げる。

此方も同じく、減速することは無い。

今は何処だろう。
森が見える。ここは…エリニアの森か…。

森に入ると魔法使いが見にくくなる。
枝のせいだ。
モンスターの群れを潜り抜ける。

俺の記憶が正しければもうすぐエリニアに出るはずだ。

ガッ!

体に枝があたり、すれたような音が出る。実際にすれたのだが。
と、同時に目の前が明るくなる。

俺の記憶は正しかったようだ。

ここは、エリニア。
妖精と魔法使い達の住む町だ。

エリニアに入ると、足場が余計に複雑になる。
危険だ。

ふと、目の前にドラゴンが見える。
ドラゴンっていっても神獣様とは大違いだな。
そう思いながら、ティティオに揺られる。

行こ…よ!スリ……

……半強…的だ…

でも………危……じ……するんだ…ば…
僕が……じるって……ド…ゴン…関……てるか……ないし

どうでもいい会話が途切れ途切れに耳に入る。
とにかく、あの魔法使いを追わなくては。

民間:くそっ!待て!おい!

こんな言葉をかけても無駄だとわかってるが、
かけてみる。

民間の気持ちとは裏腹に
魔法使いはスピードを上げたように感じた。

ほら無駄だ。
諦めの気持ちが強まる。

騒が…い奴……だな

あん…奴…この町…いた……?

またもやどうでもいい会話が聞こえてくる。
くそっ!やっぱり追いつけねぇのか。

魔法使いとの差も縮まらず、もうすぐエリニアを抜ける。








〜野原〜

準備を始める。

野原:いるのは、これと、これと…
ミル:僕のものは?
野原:え?お前のっていったって、食料ぐらいしかいらねぇだろ?
ミル:酷い!マスター!僕だって寝るとき毛布ぐらい被るよ!
野原:前から毛布被って寝てた?
ミル:寝てたよ!昨日も寝てたし。
野原:嘘にしか聞こえないんだが。
   初夏だし。今。
ミル:…っ!!
野原:ばれてるぞ〜。
ミル;…っとにかく僕がもって行くっていったらもって行くの!
野原:(うぜぇ^^
野原:しょうがねぇな。
ミル:あとは僕寒いのが嫌いだから ゆたんぽ が欲しいな〜〜
野原:初夏だから今。(殺(殺(殺(殺(殺意
ミル:…っ!!
野原:(ぁ〜うぜぇな^^

野原:これぐらいかな。
ミル:マスター、移動手段は何〜〜?
   徒歩?それともテレポート?
野原:お前に乗るんだよ。
ミル:ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!??
ミル:マスター自分でテレポして行ってよ!!!
野原:やだよ。だってつかれるもん。
ミル:そんなことしたら、僕もう死んじゃうよ〜〜
野原:(なら氏ね


妖精:もう準備終わったの?早いねー
野原:まぁな。
妖精:あれ?ミル、もしかして泣いてる?
ミル:(泣
妖精:どうしたの?
ミル:えっぐ…えっとね…ひっく…
   マスタひっく…マスターがね…えっぐ…
   僕にね…ひっく…のってね…ひっぐ
   旅するんだって…うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!
野原:(怒(怒(怒(怒(怒(怒(怒(怒(怒
妖精:普通でしょ。そんなの。だってドラゴンでしょ?
ミル:うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!妖精さんもそんなこと言うんだ!
妖精:図体でかいのにそんな赤ちゃんみたいな泣き方するなんて
   きもいかも…ちょっとひくわ〜〜
野原:まあ気にするな。ミル





〜続く〜